- 浮腫み(むくみ)外来に対応しております
- このような浮腫みでお悩みではございませんか?
- なぜ「浮腫み」が起こるのか?
- 浮腫みの原因
- 浮腫みは足のむくみだけでなく他の場所にも生じます
- 浮腫み外来で行う検査
- 浮腫みの治療法
- ご自身でできる浮腫みの対策
浮腫み(むくみ)外来に
対応しております
当院は浮腫み外来を設けております。浮腫み外来とは、浮腫みを引き起こす原因を特定したり、原因となる疾患を治療したりする診療科です。
むくみは時に、心臓や腎臓などの疾患が潜んでいることもあり、原因に合わせた治療を行うことが重要です。
当院では、患者様お一人おひとりに最適な治療法をご提案させていただきます。
むくみでお悩みの方は当院までお気軽にご相談ください。
このような浮腫みでお悩みではございませんか?
- 足がだるい、重く感じる、痛みがある
- ここ数日、浮腫みが続いている
- 一日中浮腫んでいる
- 足の血管がぼこぼこと浮き出ているのが見える
- 急な体重増加がみられた
- 坂道や階段を昇ると息切れを起こす
- 長時間、立ちっぱなし(または座りっぱなし)で過ごすことが多い
上記のようなお悩みがありましたら、ぜひお気軽に受診してください。
なぜ「浮腫み」が起こるのか?
血液は、心臓から全身の細胞へ酸素・栄養分を運搬するために、動脈を通過して送り出されます。また、酸素・栄養分を届けるだけではなく、細胞から排出された二酸化炭素や老廃物も運び、静脈を通過しては心臓へ血液を戻します。
そのため、足の血液は、重力に逆らって心臓へ流れなければいけません。そこで、血液を戻すためのポンプの役割を果たす、「ふくらはぎの筋肉」の出番となります。ふくらはぎは「第2の心臓」とも言われ、筋肉を収縮させることで静脈が圧迫され、血液が押し出されます。
この動きが、何らかの理由で上手く機能しなくなることで、ふくらはぎに血液が溜まり、浮腫みが発生します。
浮腫みの原因
浮腫みの原因は二つあり、「疾患によるもの」と「一時的なもの」に分かれます。
疾患によるもの
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心不全
心臓に何らかの異常があることで、他の臓器にとって必要な血液を送り出せなくなってしまう状態です。血液が身体中に巡らなくなることで、水分が外に出てしまうため、浮腫みが現れます。
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腎不全・肝不全
肝臓の機能が正常に機能しなくなると、肝臓内で作られる「アルブミン」の量が減ってしまいます。また、腎臓の機能が低下した場合でも同様に、アルブミン量は減少します。
アルブミンとは、血管に水分を取り込んだり排出させたりする機能を担うタンパク質の一種です。このアルブミン量が減少すると、浮腫みが生じてしまいます。
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リンパ浮腫
全身に張り巡らされたリンパ管に流れるリンパ液が、何らかの理由で流れにくくなり、四肢に溜まってしまう状態です。がんの手術後(特に乳がん、子宮がん、大腸がんの手術後)に起きやすく、中には手術してから5~10年後に、突然発症する方もいます。また、身体のどこも悪くないのに発症する「突発性リンパ浮腫」もあります。自然治癒ができない疾患なので、完治させるには医療機関へ受診することが必要です。
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下肢静脈瘤
足の静脈の中には、心臓へ向かった血液がもう一度足へ戻らないようにする「静脈弁」があります。この静脈弁が何らかの理由で壊れると、血液が逆流して足へ停滞し、浮腫みを引き起こします。
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静脈血栓症
長時間同じ姿勢(寝たきり、座りっぱなしなど)で過ごすことで、足に血栓ができるケースがあります。この血栓が原因で血液の流れが滞り、浮腫みが生じます。足を動かしたり水分を摂ったり、弾性ストッキングをはいたりするなどの対策が有効です。
一時的なもの
浮腫みの中には、生活習慣の乱れや運動不足などが原因で起きるものもあります。
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長時間同じ姿勢で過ごす
立ちっぱなし・座りっぱなしのまま長時間過ごすことで、ふくらはぎの運動量が少なくなり、ポンプ機能が上手く機能しなくなります。その結果、足に血液が滞ってしまい、浮腫みが生じます。
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運動不足
運動量が不足することでふくらはぎの筋肉が落ちてしまい、ポンプ機能も一緒に衰えてしまいます。その結果、足の血液が心臓へ戻りにくくなり、浮腫みが引き起こされます。
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栄養不足
栄養が不足してしまうと血中のアルブミン量が減少してしまいます。そうなると臓器に問題がなくても、浮腫みが生じやすくなります。特に、カリウムやカルシウム、マグネシウムなどのミネラル、ビタミンB1、たんぱく質はこまめに摂取しましょう
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お酒の飲みすぎ
お酒を飲みすぎることで体内の水分が失われてしまい、血液濃度が上昇します。その結果、身体が血液濃度を戻そうと血管内に水分を取り込もうと動き、浮腫みが引き起こされます。
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女性の場合
女性は男性より筋肉量が少ないため、ふくらはぎのポンプ機能が弱く浮腫みやすいです。また、妊娠や生理などが原因で女性ホルモンの変動が起きやすいため、浮腫みが出やすいと言われています。
浮腫みは足のむくみだけでなく他の場所にも生じます
浮腫みは足だけではなく、手や顔面、胸、背中などに生じます。どの部位に浮腫みが生じるのかは、原因となる疾患や生活習慣(長時間同じ姿勢で過ごす、栄養不足)、過去の手術歴などによって異なります。
浮腫み外来で行う検査
尿検査
腎不全があると尿の中にアルブミンが混ざるようになります。尿検査で尿中のアルブミンの量を調べ、腎不全の有無を確認していきます。
血液検査
血液検査では、肝臓や腎臓、甲状腺の機能、貧血の有無、BNP値(心不全の重症度を表す値)について調べます。
下肢血管エコー検査
足の静脈に、血栓ができていないかを確かめる検査です。血栓が肺へ流れてしまうと「下肢静脈血栓症」という、命に関わる疾患を引き起こす危険性があるため、その有無を確かめる必要があります。
胸部レントゲン
心不全の有無を調べる検査です。心不全が疑われる場合は、心エコー検査などの精密検査を受けていただく必要があります。
浮腫みの治療法
まずは、浮腫を引き起こす疾患の治療を行うことが重要です。治療期間は症状・原因となる疾患によって異なります。腎臓・肝臓の異常が原因で、血中のタンパク質が減少している場合は、それを解消する治療法を提案していきます。薬剤による副作用で浮腫む場合は、現在処方されている薬を他のものに変更し、様子を伺います。
また、リハビリテーションやマッサージ、ストレッチなどをご自宅で行うことで浮腫みを生じにくくしたり、姿勢や生活習慣を改善したりすることも有効です。
薬物療法
血管の外へ出た余分な水分を排出させる「利尿薬」や、「漢方薬」を処方します。利尿薬は脱水症状を引き起こすケースもあるため、浮腫みの重症度を見てから量を調整します。
どの漢方薬を処方するかは、患者様の体力や胃腸機能などを考慮して決定します。
また、心不全や腎不全などの疾患がある場合は、それらを改善させる薬剤も一緒に処方します。
運動療法
静脈疾患からくる浮腫みや、リンパ浮腫などの場合は、弾性ストッキングを履きながらこまめに歩行・運動をする療法が有効です。特に、リンパ浮腫を抱える患者様の場合は、リンパ管炎を起こさないよう患部を清潔にして、マッサージを行うことも効果的だと言われています。
弾性ストッキングの着用
静脈瘤やリンパ浮腫のような浮腫みは、弾性ストッキングの着用が有効です。医療用として販売されている弾性ストッキングではなくても、スポーツ用品店で販売されている「足を締め付けるタイプのハイソックス」も代用として使えます。
生活習慣の改善
内臓疾患からくる浮腫みの場合、心負荷を抑えるために、安静にして過ごすことが有効です。また、ナトリウムが体内へ貯まることによって、体液量が増加して浮腫んでいる場合は、塩分摂取量を制限する必要があります。また、浮腫みが重症の場合は、水分量の摂取制限も一緒に行います。
ご自身でできる浮腫みの対策
「何らかの疾患が原因ではない浮腫み」の場合は、日常生活を見直すことで落ち着かせることも可能です。
日ごろから予防することで、浮腫みが起きた時でも軽く済むようになります。
十分な睡眠を心がける
横になることで足に溜まった水分が移動して、循環する血液量が増えていきます。そうなると腎臓への血液量も増え、余分な水分が尿として排出されるようになり浮腫みが解消されます。
マッサージ・ストレッチを行う
ふくらはぎを撫でるようにマッサージすることで、リンパ液の流れを改善させます。また、ストレッチで腓腹筋やヒラメ筋をほぐすことで、血流が改善され、血行を促進させることができます。
ビタミンEとカリウムの摂取
塩分を体外へ排出させる「カリウム」や、血流を改善させる「ビタミンE」をこまめに摂取しましょう。
また、浮腫みを引き起こすナトリウムが体内に溜まらないようにするには、「塩分量を抑えた食事」を心がけることも重要です。
カリウムが多く含まれている食品はアボカドやバナナ、昆布、納豆などで、ビタミンEが多く含まれている食品は、ナッツ類(アーモンドやピーナッツ)やかぼちゃ、モロヘイヤ、卵、いわしなどがあります。